旅のRESUME

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【東京都・台東区】コンテツビジネスの風雲児『特別展・蔦屋重三郎』前半@東京国立博物館

ブログへお立ち寄り頂きありがとうございます。

石垣島旅行記の途中ですが、旬な話題を先に記事にします。

 

5月下旬の平日にトーハクへ行ってきました。

 

江戸の庶民文化と生活、とりわけ浮世絵が好きな自分には外せない企画展です。

もちろん、大河の「べらぼう」も見てますよ(*^-^*)

 

 

前売り券を購入していなかったことを後悔しました。

チケット売り場は並びます。

自販機に並んだのがまた失敗でした。

慣れない高齢者や外国人で時間が掛かります。

有人窓口のほうが、購入がスムーズです。

トーハクには6つ展示館があって、それぞれが特別展を開催します。

チケット売り場は共通なので混むのです。

 

 

蔦屋重三郎展は平成館での開催です。

 

暑くもなく、寒くもなく丁度い気候。

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大河の視聴率はイマイチみたいだけど、好きな題材なのでテンションあがる(笑)
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それほど混雑してないかな、と思ったのは甘かったです。

凄い人~(;・∀・)

 

吉原細見・洒落本・黄表紙から始まりますが、小さいので見るが大変です。

しかし、吉原細見は見事でした。

小さい冊子にこれだけの情報を入れるのは、大変だったでしょう。

まず、彫師が凄いと思いました。

 

遊女を生け花に見立てた冊子は絵がとても綺麗でお洒落!

 

また、平賀源内の文字が美しい!

 

複製では無く、これだけたくさんの書物が綺麗に保存されているのは凄いことです。

 

写真撮影は禁止なので画像はありませんが、伝説の遊女・五代目瀬川(花の井)はふくよかな方だったようです。

 

恋川春町の100年先の江戸「無益委記(むだいき)」もありました。

インパクトありますね。

あんな髷にはならなかったけど(笑)

 

展示は前期(4月22日~5月18日)と後期(5月20日~6月15日)に分かれていて、平賀源内のエレキテルは前期が実物重要文化財、行った時は後期で複製の展示でした。

 

 

写真が撮れなかったので、手持ちの絵から展示物を少し紹介します。

 

遊女と雀図

 

勝川春章

引手茶屋に客を迎えに来た豪華な衣装の遊女で、頭上に雀のつがいが飛んでいる。

太田南畝が、吉原の変わらぬ春と変化する馴染み客を詠んだ。

 年々歳々花街の春相似たり

 歳々年々馴染の客同からず

 かへりてはくるわの燕いく春か

 身のをいらんもいさしりんせむ

 

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雛形若菜初模様 大ゑびや内 染山
 

磯田湖龍斎

総数100枚を超える大シリーズ。

吉原の遊女がデビューのお披露目をする「突き出し」で、新造や禿ともども豪華に衣装を揃える習慣を、着物の新柄見本の雛型になぞらえて刊行されたもの。

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青楼美人合姿鏡

 

勝川春章・北尾重政

人気絵師の2人が吉原の遊女の風俗を描いた絵本で、部分的に雲母を施した豪華な絵本。

蔦重がまだ吉原で細見を出版していた頃(籬の花)に、版元山崎金兵衛と組んで出版した。

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吉原傾城美人合自筆鏡

 

北尾政演

北尾政演は黄表紙の挿絵を多く画いた人で、戯作者・山東京伝の浮世絵師としての名前。

吉原の著名な遊女2人づつと、新造・禿が大判2枚分いっぱいに描かれて、政演の美人風俗錦絵としては最大級の大きさ。
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遊女には細かい階級があって、禿(太夫や花魁の下で、身の回りの世話をしながらいろいろ学ぶ)は7~13歳くらい、新造は遊女になる前の見習いで座敷持ちの下です。

でね、顔がみんな同じなの。

身体は小さいけど、顔が大人と同じよね(笑)

禿は髪型でわかるけど。

 

江戸三美人 富本豊雛 難波屋おきた 高しまおひさ

 

喜多川歌麿

富本節の名取芸者豊雛(上)、浅草随身門脇の水茶屋難波屋のおきた(向かって右)、両国薬研堀の餅屋高島屋の娘おきた(左)、当時江戸で評判の美女を画いた。

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青楼十二時 続 卯の刻

 

喜多川歌麿

青楼とは吉原の異名。

文字通り吉原の1日を時間を追って描き分けた作品。

山東京伝の「錦の裏」は客の少ない昼の時間を描写したもので、「青楼十二時」はそれを夜の時間まで広げた物。

卯の刻は、早朝、帰ろうとする客に羽織を着せ掛ける後朝の光景。
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展示は全部揃って見応えがありました。

 

婦女人相十品 ポッピンを吹く娘
 

「婦人相学十躰」と「婦女人相十品」は、合計で八つの図柄を成し、揃物名は違うけど非常に関係性が深い作品(あるいは途中で改題された)と考えられる。
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歌麿作品の中でも有名なポッピンを吹く娘。

前期ではトーハク所蔵の作品でしたが、後期は海外にしか現存しないと言われていた初刷りが国内で発見され、展示されました。

この作品、昔はビードロを吹く女って言いませんでした?

 

市川鰕蔵の竹村定之進

 

東洲斎写楽 重要文化財

前名は5代目市川團十郎で、江戸歌舞伎を牽引した役者絵にもたくさん描かれた名優。

写楽の描く鰕蔵は独自の誇張を加え、ある種の異様さをたたえた印象的な描写。

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後ろに並んで鑑賞していた女子2人が「えびぞうだって。本人に似てる?」「あんまり」という会話をしていたけど、誰の話し?(笑)

そして、写楽のコーナーで「今日、初めて目が大きいひと見た」とも言ってた^^;

 

四代目岩井半四郎の乳人重の井
 
お多福半四郎と呼ばれた、ふっくらした四代目半四郎を穏やかに描いた作品。f:id:bluemoonbell:20250531103943j:image

こんなに沢山の写楽の絵を一度に見たのは初めてでした。

前期も合わせると相当数なのでは?

生没年不詳。

10ヶ月の活動期間に140点を超える作品を残してますが、当時はほとんど売れず評価されていません。

 

蔦重が売れない写楽をプロデュースした理由が気になります

 

そして、当時の浮世絵は今でいう新聞紙のようなもの。

値段はかけ蕎麦1杯分

海外へ陶磁器を輸出する際の梱包に使われ、それが外国人の目に留まり評価が高くなりました。

いわば、逆輸入?

海外の博物館・美術館に浮世絵の所蔵が多い理由でもあります。

 

江戸花京橋名取
 
鳥橋斎栄里
手前ある扇に描かれた最後に京伝のサインがあり、この人物が山東京伝だと分かる。
おそらく京伝の入銀物で配られたものだろうと言われている。
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吉原で一番モテたと言われる山東京伝は、顔が長かった!
「べらぼう」ではイケメン俳優の古川雄大さんですね(笑)

 

 

ここからは手持ちの中から選んだ、おまけの画像です。

 

▼今回、前期で展示が終了していた、東洲斎写楽3代目大谷鬼次の江戸兵衛

写楽といえば、真っ先に思い浮かぶ絵なのでは?

この作品、千葉市美術館とトハークにありますが、トーハクのコレクションは重要文化財です。
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▼「べらぼう」でも放映さえた吉原のお祭り〝俄〟

この絵は栄松斎長喜が描いた青楼俄全盛遊で、俄は吉原で毎年8月に吉原芸者衆や若い衆らによって行われていた寸劇です。

版元はあの鶴屋です(笑)
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葛飾北斎改戴斗という名前で描いてます。

画号をコロコロ変えた葛飾北斎の、北斎漫画誕生の少し前に描いた房総海陸景勝奇覧という作品です。

版元は2代目蔦重で、初代没後に北斎とたくさんの作品を出してます。

蔦屋重三郎は5代目、明治の初めまで続きました。
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山東京伝作の実語教幼稚講釈(黄表紙)には勝川春朗(のちの葛飾北斎)が絵を描いてます。

見逃してしまいました。

 

そして、この記事を書きながら「やっぱり図録を買えば良かった」と思ったのでした。

この後他へ行ったので、重い図録を持ち歩くのがイヤだったのです・・・・

 

後半へつづく☆

www.bluemoonbell.work

最後までご覧いただきありがとうございます(●'◡'●)